YAMASHITA 山中陽介
2021/07/05
東京湾ではここ数年、周年タチウオが船から狙えるようになりました。これまではテンビンを使用した吹き流し仕掛で狙うのが一般的でしたが、昨年頃から注目され始めたのが関西で人気のテンヤを使ったタチウオ釣りです。比較的大型のタチウオが釣れやすいテンヤタチウオは東京湾でも大人気!
今回は東京湾でのテンヤタチウオについてご紹介していきたいと思います!
<目次>
1.タックル 専用タックルがベスト!ヤリイカタックルやテンビンタチウオタックルでも代用は可能!
まずロッドについて。できれば専用ロッドが望ましいですが、2m程度までの錘負荷100号程度のロッドであれば対応可能です。しっかりとタチウオをテンヤで掛ける必要があるため、バット部分がしっかりしていて、かつアタリが取りやすい穂先の柔らかいロッドが好ましいでしょう。身近なロッドとしてはヤリイカ用のロッドが使いやすいです。リールは小型の電動リールか両軸リールを使用し、ラインはPE1.5号を中心にそれぞれの釣船の指示に従うようにしましょう。東京湾の場合はたいてい2号以下というのが基本です。
2.仕掛 テンヤは40号、50号が基本!状況によって30号を使用することも!
東京湾でのテンヤの歴史はまだまだ浅く、使用するテンヤは船によって異なりますが、概ね40号ないし50号です。スタート当初は50号がメインに使用されていましたが、ここ最近を見ると40号を指示する釣船も増えてきました。テンヤは軽ければ軽いほどテンヤを操作しやすく、アタリも明確になり、またアワセも決まりやすくなります。もしどちらを使っても良いのなら、40号を使用してみて、他とオマツリするようなら50号に切り替えるような使い方でも良いです。
また東京湾でのタチウオのポイントは至る所にあり、季節によってその場所は変わります。時には100mを超える水深の時もあれば、浅い時は10m程度のポイントで釣れることもあります。そんな時はなるべくテンヤを軽くして対応するとアタリが出やすくなることが多いので、30号のテンヤも数種類は用意したほうが良いでしょう。テンヤのヘッドのカラーも釣具店に行くと迷うほど多くあります。その日によってヒットカラーがあるので、1色だけで対応するのは危険です。またタチウオにリーダーを切られることもあるので、最低でも3個程度は用意しておく必要があります。カラーは大きく分けると夜光系、ゼブラ系、無夜光系に分けられます。東京湾では比較的、無夜光系やゼブラ系でのアタリが多く夜光系でのアタリは少ない傾向にあります。ただし、空が暗いときや強烈な濁りが入った時は夜光にしか反応しないこともあるので、ゼブラ系、無夜光系中心に夜光も何個か用意しておくと良いでしょう。
テンヤの上に8号~12号程度のナイロンもしくはフロロカーボン製のリーダーを1~2mほど装着すれば仕掛けは完了。糸の先にはテンヤのみというシンプルな仕掛がこのテンヤ釣りの特徴でもあります。
3.エサの付け方 エサはテンヤに対して曲がらないようにまっすぐ装着すること!
テンヤが準備できれば、テンヤにエサを装着します。主にエサは東京湾ではマイワシを使用します。東京湾以外のエリアではサンマもよく使用されるエサですが、東京湾ではサンマエサの使用が禁止されているため使用することはできないので、注意してください。
餌の付け方ですが、YAMASHITAの猛追太刀魚テンヤ船の場合で説明してくと、まずはイワシの頭をハサミでカットします。カットした断面に針に平行に並んだ2本のニードルにイワシの背骨を挟み込むように刺していきます。この時イワシが大きくてテンヤのヘッドよりもイワシの身が盛り上がってしまう場合は少し腹側もカットし、テンヤのヘッドに合わせて調整します。ヘッドよりもイワシが大きくなってしまうとはみ出てしまった断面に水流を受けてエサのイワシがテンヤの投入中や誘っている最中にずれてしまうことがあるためです。しっかりとイワシをニードルに刺して固定すればあとは付属のステン線でイワシを巻き付けて固定していきます。これでエサの装着は完了です。
4.誘い方 タナは船長の指示通りに!基本の誘いは2パターン!
テンヤタチウオでの誘い方の基本はただ巻きとストップ&ゴー(巻いて止める)の2パターンです。船長からの指示されたタナをその日のパターンを探しながら誘っていきます。スローなただ巻きでも巻くスピードがその日、その時によって異なり、その時のタチウオの活性に合わせていくことが重要です。電動リールを使用していればスピードを一定に出来るので便利です。巻きスピードとしては1mを10秒程度で巻く位のスピードからスタートして調整してみると良いでしょう。またストップ&ゴーも巻きスピードや止める間を変えて探っていく必要があります。東京湾の場合はタナが狭いことが多いので、「50㎝巻いて3秒ほど止める」を基準にしていくと良いでしょう。
注意すべき点は船長の指示タナよりも下には落とさないこと。タチウオが警戒してしまうこともあるので、しっかりとタナは合わせましょう。ただし、タチウオが追いかけてくることがあるので指示タナよりも上は少し探るとアタリが出ることがあります。だいたい指示タナ+5mほどは探ると良いでしょう。指示ダナの下限はしっかりと守り、上限は少し広く探るのが効果的です。例えば、指示タナが45~55mだとすれば、誘うタナの幅は40~55mを探ると良いでしょう。
基本の誘いを中心に誘い方をアレンジしてストップ&ゴーの巻き幅と止めの間を細かくしてみたり、巻くときに竿も煽って激しくテンヤを動かしてみたりすることが効果的なこともあるので、色々と試しながらその日に合った誘い方を見つけていきましょう。パターンさえ掴めば連発することが多いのがタチウオの特徴です。
5.アワセ方 小さなアタリは前アタリ!ガツガツっとした本アタリでしっかりとアワせる!
誘いを入れていると、トンッいうような突き上げるような小さなアタリが出ます。このアタリはタチウオがエサを弱らせるようなアタックで少し噛みついて離れるような行動を行います。この時のアタリは魚がエサに触れたのは一瞬なのでアワセてもなかなか掛かりません。その後にしっかりとエサを咥え込むような本アタリが出るので、その時にしっかりとアワセを入れます。本アタリの例としてはタチウオがテンヤを咥えて上に泳ぎ、竿先のテンションが抜けたり、ガツガツという感覚と共に竿先が引き込まれたりします。もしそこで掛け損ねたとしても、活性の高いタチウオであればすぐにまたアタックしてくるので、しばらくは誘い続けてみましょう。
6.やり取りの仕方 竿での抜き上げは厳禁!しっかりとリーダーを掴んで取り込みましょう!
魚がヒットしたら、なるべくポンピングはせずに竿の角度は水平からやや立て気味一定で巻き上げます。テンヤはテコの原理でフッキングに至るので、ポンピングをしてしまうと魚が外れる方向に力が働いてしまいます。また竿を下げてやり取りをすると魚が強く引き込んだ際に竿のクッション性が全く効かずに身切れしてしまうこともあります。魚の引きに合わせてドラグは調整してやり取りしましょう。
水面近くまで魚が上がってきたら、取り込みです。ラインの先にテンヤが1個ついているだけのシンプルな仕掛なので、竿で抜き上げてしまいたくなりますが、重たいヘッドに大きな針が付いたテンヤは凶器。もし水面で魚が外れてしまったら、テンヤが勢いよく飛んできます。特に竿が曲がっている状態で魚が外れると、竿の復元力も相まってその勢いはかなりのもの。危険極まりないです。
取り込む際は魚が水面下にキラッと見えたら、糸を緩めないように竿を置き、リーダーを手繰り、リーダーを掴んで一気に抜き上げるようにしましょう。
7.その他注意点 オマツリの際は魚ではなく他の釣人のライン優先!
タチウオ船では潮の具合でオマツリが頻発することもあります。特に魚が掛かって暴れると隣の人とオマツリすることもよくあります。この時注意しなければならないのは、魚を取り込むことに夢中になりすぎてオマツリしたラインを見ずに魚を船に取り込んでしまうこと。タチウオの歯は極めて鋭く、PEラインなどが触れたら、いとも簡単に切れてしまいます。取り込む際にラインがクロスしている場合は、まずはオマツリしているPEラインが切れないように魚から離しましょう。魚優先ではなく、お祭りした道糸優先で対応してください。
そして万が一、他の釣人のラインを切ってしまった場合は、謝罪の一言を。船上でのオマツリはお互い様ですので、船上でのマナーも心がけて釣りを楽しみましょう。
8.まとめ(解説動画あり)
さて、今回は東京湾で話題のテンヤタチウオについてご説明させていただきました。非常にシンプルな仕掛なだけにアタリも引きも非常にダイレクト。一度味わってしまうと、その面白さに引き込まれる釣人も多いテンヤタチウオはシーズンもこれからが本格化!ぜひともチャレンジしてみてください。
詳細はこちらの動画でも解説しています。ぜひご覧ください。
9.あわせてお読みください&商品アイテムのご紹介