本州と九州を隔てる関門海峡は、古くから、日本とアジアの国々を結ぶ重要な航路でもあり、現在も多い時には1日約1000隻もの船が通過しています。
海産物の水揚げも盛んなほど、豊富な栄養分を含んだ海域でもあり、堤防からも季節ごとに様々な魚種が狙えます。特に春は「コウイカ釣り」が盛んな地域です。今回は「関門コウイカ」の特徴や釣り方、そして魅力についてご紹介いたします。
<目次>
1.関門海峡の特徴
いちばんの特徴は、速い潮の流れです。潮の速さの単位は「ノット」で表されるのですが、1ノットは時速1.8㎞となります。関門海峡では最大9.3ノット(時速17㎞)と、自転車の速度と同じぐらいの速さで潮が流れることもあります。
しかし、海峡に面している釣り場は、どこでも潮が速いというわけではありません。流れの緩やかな釣り場もあり、特に港の内側は流れも緩やかで、釣りもしやすいので、おススメの釣り場です。
大きな貨物船が出入りする港も多いため、水深が深い港が多いことも特徴です。
2.関門で狙えるコウイカと時期
硬くて大きな甲羅が名前の由来にもなっているコウイカ ― 甲烏賊。一年を通して釣れるターゲットですが、関門では「春」が数釣りのできるベストシーズンです。そして、3種類のコウイカが異なる時期に釣れます。
・コウイカ … 2月~4月上旬
色や模様が松ぼっくりの柄に似ていることから、関門では「松葉イカ」とも呼ばれています。
・シリヤケイカ … 4月下旬~6月
胴体の先端が茶色くなっているため、北九州地方では「シリグサレ」とも呼ばれています。
・カミナリイカ … 4月末~6月末
雷のような模様のため「カミナリイカ」とも呼ばれ、コウイカやシリヤケイカよりも大きくなります。
3.関門でのコウイカの狙い方
イカ釣りと聞いて、専用の竿が必要なのでは?と思うかもしれませんが、エサを付けて狙う「エギーノもぐもぐサーチ」なら難しい操作は不要なので、専用の竿は必要ありません。ちょい投げ釣りやサビキ釣りで使用している、振り出しのちょい投げ竿でOKです。
先ほどご紹介したように、関門海峡は流れの速いことが特徴です。ここで重要なのが、仕掛けが流されすぎないように「錘(おもり)」を付けることです。錘は3~6号の重さでナス型があるとよいでしょう。
狙い方は次の通り、簡単です。
① もぐもぐサーチを投げて、海底まで落とします。
② たるんだ糸を巻き取って、もぐもぐサーチをジャンプさせるイメージで竿を縦に煽ります。
③ 10秒ほど待って、また同じ動作を繰り返します。
この誘い方だけでもいいですが、流れの特に早いときは、もぐもぐサーチをジャンプさせると、そのまま流されてしまうことがあります。流れの速いときは海底を引っ張るように、竿を横にゆっくり動かす誘い方が有効になることもあります。
関門海峡の流れが緩いときは、なるべく遠くに投げて広範囲を探り、潮の流れが速いときは軽く投げて丁寧にじっくり探ると釣果を伸ばせます。
しかし気を付けなければいけないこともあります。関門海峡はとても栄養価の高い海で、絶えず新しい潮がやってくるので、岸壁の海藻が大きく育ちやすい環境です。特に下関側の多くの釣り場には岸壁に海藻が生い茂っています。
手前まで丁寧に探ると、海藻に絡まって仕掛けを失くしてしまうため注意しましょう。
4.コウイカ釣りの魅力
難しい操作や技術がなくても釣ることのできるのがコウイカ釣りです。アオリイカやヤリイカといった他の種類のイカに比べて、コウイカは甲羅がある分、小型でも重さがあります。なので、コウイカが掛かった時にずっしりとした重みがいきなり手に伝わる感覚がとても面白いです。
さらに、コウイカはお刺身で食べても甘みが強く、火を通すとコリコリとした食感で食べ応えもあり、とてもおいしいイカでお馴染みです。
コウイカ釣りの魅力は、誰でも簡単に狙えて、食べるところまで楽しめることではないでしょうか。
5.まとめ
さて、今回は関門のコウイカ釣りについてご紹介させていただきました。ターゲットは同じコウイカでも、地域によって釣れる時期や呼び名も、狙い方も変わってきます。地域の特性を知ることで、より楽しい釣りに繋げられるので、関門に足を運んだ際は、コウイカ釣りにチャレンジしてみてください。また、下関市や北九州市といった関門海峡に近い地域にお住いの方々も、手軽に始められるコウイカ釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
関連動画
6.あわせて読みたい