秋のロックショアヒラマサを攻略するために
みなさんこんにちは。Mariaフィールドスタッフの岡 公一郎です。 暑かった夏が過ぎ、青物には良いシーズンになりました。Mariaの青物用ルアーも充実し、戦略の幅もますます広がってきました。今回はショアでのヒラマサを攻略するために僕なりの考察をお話しします。
秋のベイトとしてショアラインに接岸するのは、トビウオ、カマス・サヨリ・ダツ・小型シイラといった20cmをはるかに超える大型ベイトや、キビナゴ・カタクチイワシ・アジといった10cm前後の小~中型ベイト。そして、シラス等のマイクロベイトとまさに多種多用なサイズのベイトが混在するシーズンといえます。その為、まずは「ベイトが何なのか?」を見極める必要があります。
大型ベイトに付くヒラマサほどアクティブに捕食行動を起こすのですが、そんな好都合なシチュエーションばかりではありません。運よくファーストキャストでバイトする事もありますが、一日の中で限られたチャンスタイムに遭遇できるか?偏食したヒラマサに苦悩するか?魚は居るのに喰わせきれずに・・・誰しもそんなシチュエーションに遭遇します。
秋のベイトフィッシュに合わせたルアーセレクトを考える
先ず、大まかにベイトサイズに対してMariaのアイテムをセレクトしていくと
①大型ベイト用としてラピードF230やラピードF190、ローデッドF180
タックル例:ロッド=ZENAQ MUTHOS Accura 100H / リール=STELLA SW14000XG / ライン=オーナーばり撃投PEフラッシュ#5 / リーダー=YAMASHITA ニュークロー#30/100LB
②中型ベイト用としてラピードF160、ポップクイーンF160
タックル例:ロッド=ZENAQ MUTHOS DuroPencil 100H / リール=STELLA SW10000XG / ライン=オーナーばり撃投PEフラッシュ#5 / リーダー=YAMASHITA ニュークロー#30/100LB
③小型ベイト用としてローデッドF140やラピードF130、ポップクイーンF130
タックル例:ロッド=ZENAQ MUTHOS Sonio100M / リール=TWINPOWER SW6000XG / ライン=オーナーばり撃投PEフラッシュ#3 / リーダー=フロロカーボン50LB
④誘い上げのリライズやメタルジグのショアブルーといったレンジ攻略系ルアー
タックル例:ロッド=ZENAQ MUTHOS DuroPencil 100H / リール=STELLA SW8000H / ライン=オーナーばり撃投PEフラッシュ#4 / リーダー=フロロカーボン60LB
となりますが、まずはそれぞれの特性を理解した上でフィールドの状況に合わせ選ぶ事になります。
例えば、
・水面を跳ねるように逃げるカマス・サヨリ・ダツ・トビウオ・サンマ・シイラなどの場合には、スリム系のラピードを。
・ボリュームのあるローデッドはショートダイブでの誘い出しに特化しており、ボイルパターンに強い。
・ポップクイーンはロッド操作でポッピングし、泡と音でアピール!
大まかにはこんな感じでルアーを選びますが、単純にベイトに合わせてルアーセレクトをすれば良いわけでもなく、そう簡単に当てはまらないのがヒラマサ相手のゲームです。フィールドではこの選択を基準に、状況に合わせてフィッティングさせる必要があります。
自然条件を考える
秋のロックショア。特に私が住む北部九州では西高東低の気圧配置による季節風の影響を大きく受けることになります。 そんな風の中、ベイトが小さいからといって小さいルアーをキャストしてもヒラマサがベイトを捕食するポイントまで届きません。特に向かい風の場合がそうです。
その様な状況では、ベイトサイズと合わなくても大型のルアーを投げています。
マッチ・ザ・ベイト以上に大事なことは『ヒラマサが捕食しているエリアにルアーをアプローチし、ターゲットにルアーを発見させる事』です。
ヒラマサに食い気があれば多少ベイトサイズとルアーのサイズが合っていなくても果敢にバイトしてきます。
それで上手くフッキングしてくれれば良いですが、ミスバイトやチェイスで終わる場合には「ルアーのアクションを変える」「ルアーのサイズを変える」「ルアーを通すレンジやコースを変える」等の経験に基づく一工夫が必要となります。
風が吹けばウネリが発生します。少々の波気はターゲットの活性をアクティブにする傾向があり、バイトチャンスも増えるものですが、うまくコントロールしないとルアーが水面から飛び出してしまいますし、ミスバイトの原因にもなります。
着水したルアーがどれくらいの波の中にあるのか?ロッド操作だけでコントロールできるのか?ラインスラッグの出かたはどのくらいなのか?どれくらいの入力(ロッドアクション)で理想のアクションをするのか?と、置かれた状況により考える事は山ほどあります。
またベイトの動きと潮の動きを観察するのも重要で、散らばっていたベイトが足元に集まって来ていたり、潮の流れる角度や流速の変化などにもヒラマサとコンタクトを得るためのヒントがあったりします。
自分が何をしているのか
ここからはタイプ別の特徴や喰わせるためのヒントをお話しします。
あなたはどのルアーでどんなセッティングをすればどんなアクションが出来るのか把握できていますか?
トップウォーターでの誘い出しの場合ですが、決して闇雲にジャークするのではなく風向きや波の方向、波のピッチを考えながら「どこで着水させ、どこまで泳がせ、どこで浮上させるのか?」といったコントロールされたジャークを行う事です。
同じルアーでもフックサイズやタックルセッティング、個人差によりアクションの差が出てきます。「自分のセッティングではどんなコントロールが出来るのか?」を考えることが大事だと思っています。これはどのトップウォータプラグにも共通した事です。
私はロッド操作でのジャークだけでなくリーリングも積極的に使います。それはダイブさせたルアーを浮上させたい波のタイミングと合わせるためで、波の波長が長い(広い)ほどリーリング操作が多くなります。
また着水後や浮上後のルアーの姿勢を整えるためにリーリングを行う事もあります。
ルアーが浮上する時には出来る限りラインのテンションを無くし、ルアーが浮きたい方向へ自由になるように心がけています。これはジギングのダート&スライドと同じで魚にバイトのタイミングを与える為です。
ポッパーであるポップクイーンについては、ポッピングでアピールするだけのアイテムではありません。
私が良く行うアクションとして、軽いポッピングを入れながらのタダ巻きや、完全なるタダ巻き(シーバス狙いのV字波ですね)、ポッピングから水を噛ませた状態でのリーリングによるスイミングと、サーフェイス&サブサーフェイスをミノー的なアイテムとして使っています。また、強風下でルアーを早く水に絡めたい場合にも非常に有効です。
マイクロベイトパターンのヒラマサ相手にポップクイーンF130での小刻みなポップとスローなリーリングでの誘い出しが大ハマリ。バイト連発となった経験もあります。
PE3号のタックルにフックサイズを#1に変更したポップクイーンF130をセットし、柔よく剛を制すパターンでグッドサイズのヒラマサもランディングしました。普段はダイビングペンシルをメインにセッティングしていますが、これからはタックルボックスに忍ばせておくファイナルウェポンとなりました。
2018年に発売されたリライズ。そして多くの実績を誇るショアブルー。
水面での反応が得られない時に出番になるアイテムですが、どちらにも言える事として見えない場所を攻めるために「攻めるレンジとトレースコースをイメージしながら考える事」が重要になってきます。
闇雲にキャストして・沈めて・アクション入れて…でも喰うのですが、狙って喰わせるには全てを逆算してキャストする事になります。
フィールドに立ち周囲の地形を観察し、風と波・潮の流れかたを観察し、どこに魚の回遊ルートがあるかをイメージし、そこにルアーを送り込むには何処にキャストしたらいいのか?
そしてロッドに伝わる水の抵抗感の有無を感じ取りながら自分がどの辺を攻めているのか?早い動きにするか?ゆっくりか?と、常にイメージしながら操作すると、「喰わせた」という満足できるバイトが得られるはずです。
自分が何をしているのか?それはイメージしながらのゲームでの経験を積むのみでしょう。
経験の多さは知識以上にどのゲームにおいても役にたちます。
ロックショアヒラマサを楽しむために
オフショアと違い自分で魚を探さなければならないショアゲームでは、常に周囲の変化を見逃さないよう観察する目を養い、試行錯誤を行わなければなりません。
そうして訪れるワンバイト。その瞬間がショアヒラマサゲームの醍醐味だと思います。
最近、時々フィールドで見かけるのですが、対ヒラマサに対しベスト式のライフジャケットではなく、ガス膨張式のインフレータブルを装着されたアングラーを見かけます。
軽くてコンパクトなのですが、アレは磯で「もしも…」の場合は役に立ちません。(あくまで船舶用だと考えてください)
ヒラマサという魚は非常に強烈なファイトを見せます。魚がバイトした瞬間、アングラーのアドレナリンは上昇し一進一退のファイトが始まるのですが、その状態は周囲が見えなくなり危険な状態でもあります。
ロックショアヒラマサゲームを楽しむために、十二分な安全装備は勿論の事、波の動きやランディングポイントの確認を十分に行い、楽しくスリリングなヒラマサショアゲームを味わっていただきたいです。
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Mariaフィールドスタッフ岡 公一郎