「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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長崎県小値蛮の潜水板②の部分から二個位つけて使って下さい。そうして第一番に板の振りを調節するわけです。板は板の後の抵抗物(擬餌やテグス)が水を受けて左右上下に動くと、板自身のよく振れる性能を防害して、振れすぎて飛び出してくることを防いでくれるわけですから、振れすぎて水中から飛び出してくるものには、擬餌を二個乃至一一一個つけ鱗熟麻糸で⑥の部分を作ります。⑥の部分の取付けはぴったりとツボの部分が板の②の部分に密着して、ずるずると移動したり、ぶらぶらしたりしない様にして下さい。麻糸が⑥のように三角になって板尻よりツボが出るようにして下さい。山下式潜水板は板尻が非常によく動くように設計されていますから、擬餌を潜水板に近い方には頭の重いものを、先端につく擬餌は軽いものをつけます(枝がもつれない)。又、板の後の糸(テグス)の長さにより、板の振れも変って参りますが、板の後のテグスの長さはせいぜい一ヒロ半までがよろしいので、それより長くすることは餌の動きをわるくする関係から感心しません。テグスを一ヒロ半、擬餌を大小(重、軽)二個取付けて曳行しても、浮上してくるものは②の部分のツポのところに五寸位に切ったナイロンテグスを何本か結びつけておくと、そこに水の抵抗が出来て板を安定させます。テグスの本数で板の振れが変化しますから、テグスの本数をプラス、マイナスしますと板の性能は自分の気に入ったように調節出来るわけであります。慣れてくると、このテグスのプラス、マイナスで板を自分の思うように調節出来て、面白い様に魚がつれる基になりますから、充分研究していただきたいことであります。テグス以外のものは使わない方がよく綿糸や麻糸のクレモナ、その他の撚糸ですと72

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