「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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事に気を使っていてはかなわないし、第一能率的ではありません。それより他に、もっと漁をする上には大事な事があるはずであります。ヘビーサルカンの取付部の台座のリングの部分は9の字型になっていますが、これもヘビーサルカンがこれより後方に押されますと、くるくるまわって潜水しなかったり、又、その性能を狂わすため、ヘビーサルカンがリングの後へ行かないように防止するためであります。ます。子供達が正月に空へ上げるタコは、糸タコのバランスをよく保たれるところに糸がつけられる。くるくるタコがまわると紙やテープで尻尾をつけたりします。潜水板もタコや航空機のそれと同じで、第一に図(七一頁)の①の部分と②の部分が、真直ぐになっていなければなりません。次に⑥の部分が正しい取付け方でなければいけません。⑧取付け方がわるいと潜水はして行かなくなり70のです。従来の板のように、結び目のところと板の穴をあけたところとがテコのようになり、すれ合って幹糸がすり切れたりすることも防止し、ヘビーサルカンと幹糸を結ぶ間に、麻糸等でツボをこさえ、麻糸と幹糸を結ぶと尚更に丈夫になります。②潜水板裏面の前部にはメッキされた鉄板(又は鉛板)がついていますが、A型、B型ともに海中に板を投げいれると、前部は沈むが、後部は、全体の七分の一くらい水面上に浮ぶ。その状態で後方へ流れて行きます。そうして、幹糸がはってきますと板が例え、右を向いて流れていようが、左を向いていようが、後向きになっていようが、すぐさま潜水を開始し、例え乱暴に船のトモから海中にほうり投げてもその性能は変わりません。板の裏面が平面になっていて、しかも山下式のように鉄板のついていない従来の板は、船から投じられるとき、板の表面が上に裏面が下になるように気をつけて海中に投げ入れないと、やり直しをしなければなりません。魚がジャンジャン釣れて、最も忙しいときに、こんな

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