「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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68自体は釣ろうとする魚の擬音を発して泳いでいるわけであり、魚を誘導集魚せしめる「おとり」と考えてよいのではないでしょうか。曳細漁具としてヒコーキ、ロケット(ダポ、又はバクダン)、その他のものが使われていますが、原理はここにあるのではないでしょうか。一匹の魚が餌魚の中におどり込んでそれを追跡し、今にも前方に瀞泳する餌魚をおそおうとしている様に設計されたのが、山下式魚群誘導曳細漁法であります。潜水板は大体三マイルから四マイルの早さで曳くのが普通でありますが、板の後部がよく動いて擬餌さへ充分活発な動きさえしていれば、何も船を早く走らせる必要はありません。スローで引いても板がよく動き、板の性能が発揮されておればよいのであります。潜水板の後部の動き次第で大漁にもなるし、一匹の魚も喰わないような事にもなりかねない。その調節は最も研究をしなくてはなりません。潜水板を海中に入れる前に一度水面近くでその動きを観察したり、よく魚の釣れる潜水板があれば、その潜山下式潜水板左A型裏面右B型裏面潜水板は、潜ぐらせるだけが役目ではありません。潜水板が水圧の変化と船の速度により激しく動くと、連動的に上部の餌を上下左右に動かし手元のゴムョリトリまでその動きを伝動させます。潜水板

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