「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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件がそろっていないと知恵のある魚を釣ることわ出来ないのであります。ゴールデンベイトを使用するにあたっても、「鳥毛の時代ほど、漁業者間の漁獲の差が無くなった」(糸魚川市浦本漁協河合喜代治氏談)とはいうものの、前述の条件を上手にもり込んで操業するか否かで釣獲量は大きく変わります。魚はなぜビニール製擬前章のことを復習するよ餌に喰いつくのか?うなことになりますが、海の魚のうちには、水中や水面、海底に浮瀞しているものならば、何でも、それを口の中に入れてみようとする魚もおります。魚の腹を割ってみて、こんなものがと思われるものがしばしば発見され驚ろかされます。そんな餌には、釣針や釣糸がついていないからです。釣針、釣糸、幹細、漁船の操音などがなければ、魚はいろいろなものを、腹にほうり込みます。何故、漁具となると喰わないのか、魚は目や側線や聴覚で餌の真擬をたしかめる。漁具が不十分で、魚が不自然なところを見破るから喰いつかないのです。61⑤動かされたときに、水中に柔らかい波音をまきちらし、背中が上に、腹が下になるようにしてくるくると回転したり、ぎこちない動きをしないように取付けること(よい餌なりが大切)。⑥魚が喰って口にあたったときに、固い口ざわりがしないものであること。、色彩が、餌魚が各層を瀞泳しているときの色彩によく合っていること。太陽光線や、光の濃淡、水色等の問題で最も難かしいところであるが、これをその漁場や漁種に於いて早く発見して、早く漁具の色を合わせることが最も大切なことであります。⑧その他としては釣針の仕掛け方、釣元の糸の太さ、擬餌が前述の条件を十一一分に発揮するように、仕掛けや漁具の構造を考慮に入れること。どの様に、とびぬけてよいと云われる漁具を使用しても、その動かし方、仕掛け方、船の速度、潜水板の調節、釣針の位置、道具の太さ、色彩、光、輝き、型体、大きさ、船の操作、漁場等、すべての条

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