「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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であります。魚の習性産卵期以外の魚の行動は索餌行動の連と漁携続であり、水温、塩分(栄養塩類)水色、水素イオン濃度、酸素含有量、天候、時間、海流、潮流などからその適水帯を求めて、餌の集合する潮境や暗礁付近にのり込んでまいります。この際、彼等の先達が捕食活動を開始しないとどんな餌が目前にあってもなかなか見向きもしないのが常で、これを上手に索餌行動に導びくために、カツオ、ビンチョウの漁船などでは天然餌料にまさる美味な、前述のような餌を投げあたえ、船縁に魚群を寄せ集めて釣り上げております。回海魚族が沿岸に来瀞するときは、主に海流が陸地に接近し、それが適水温である時で、曳細や釣漁で大漁が約束されます。潮境では欠乏した栄養塩類などが補給され、プランクトンが繁殖して、それを索る魚が大小群集し、好漁場を形成するのが普通で、暖寒両流の魚種が混獲されます。暖寒両流の衝突点より数海里はなれた割40年9月八戸漁協に水揚げされたブリの大群することにより、魚はますますいきり立って、競って餌を追い、船尾に、まつ赤になってついてくるの

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