「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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す。こうしたことの研究により、餌付きのいい魚、餌付きのわるい魚の別なくその習性に合せ、釣り上げることが出来るようになるわけであります。餌の大きさはど漁場に出て、魚群がいることがの位にするか?分っていても餌付きがわるく、漁獲を得られないことが性々にしてあります。このような時、その魚が常日頃、何を喰っているのか、早く知ることが肝要であります。その魚が喰っている餌の大きさに生き餌なり、擬餌の大きさを合わせる事が第一の仕事です。そしてその魚の喰っている餌がどのように動くか、小魚の時は小魚らしく、エビの時はエビのように。その餌魚が敵に追われて、右に左に、上下に、あわてふためいて逃げ廻る如く糸や、竿、船の構造、又は漁具の構造を研究しなければなりません。そうしている中に、餌付きのない様な魚も次第に喰ってくるようにもなりますし、曳細などをやって魚群の上やまわりを航行しているようなときは、「35半青色5%全橿色5%その他の色大分県佐賀関では、全青色のもので、色彩を濃くしたものが圧倒的。対象魚は、ブリ類、メジ(ョコワ)類、マグロ、カツオ、シイラ、サバ、サワラ、ヒラメ、タイ類、イサキ、アジ、スズキ、サケ、マス、カジキ、ピンナガ、ソウダガッオ等、沿岸、沖合、遠洋の各漁法に普及しております。一般にいえることは、何か一色の色彩により、たまたま大漁したりするとその傾向にその地区全体がかたむいてゆく場合が多いようだが、前述のように水色、天候、深度、水温、などの科学的見地より研究選別することが必要であります。漁具はそのすべての部分が、釣ろうとする魚に適合していなければならない。科学者もなかなか、こうしたことには、その解明がつかず、実験的にも不可能なことが多いのですが、各県の水産試験場やその道の専門の方々には努力して欲しいことでありま

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