「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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第二章山下式魚群誘導棚探し漁法(イナダ、ブリ、マス、マグロ、カツオ、シイラ、ヒラメ、タイ、サワラ、メジ等、上・中・下層各魚種に最適)仙操作と装備二六頁の第一図のような仕掛けです。詳細な説明は後段で図と参照して説明しますが、まず、烏や、ハネ群、ナブラ等を見たら、魚群の真上を通らないで、その周辺を引く。魚の喰いのよい時は比較的スローで、喰いのわるい時は三マイルから五マイル位の速力で引くのがコツであります。全速で魚群の上を突走るようなことは魚に恐怖心をあたえ、餌付不良にさせるだけであって理論的に云っても不合理であります。魚が喰った場合は、船の速度をスローにして両端の曳細に釣れた魚は後まわしにして、内側の一一本についた魚から取り入れますと、両端の魚が、魚のオトリになり、魚群を何時までも船につかせる原因になります。又、魚群をみたら日下から魚群に近づき船の影が112は上から下へ餌を追うことは少なく、下より上へ餌を追い上げるのがその習性であります。ロケット、ヒコーキ等の漁具も撒水や、水面上に異状を与えとパシャパシャする音をまきちらす。又漁具自身が渡泳曳行されるとき、魚のような擬音を発する有効な面もあるが、ただ、その後方にある餌の動きを活発化することにあまり考慮がはらわれていません。水面曳漁具に、潜水板のように深部を曳行し、しかも餌の動きを活発にすることを、更に加えれば、もっともっと漁獲が期待されます。

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