「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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上を計りたいものであります。⑤山下式環釣とミラクルメッキ④環釣昔から「環付き釣」は経験を積んだ漁業者に愛好されているものであり、私の製作所でも、現在「ダイヤ入鮪環釣」と称して遠洋マグロ延細に効果のある釣針を製作しておりますが。最近になり遠洋、沿岸の漁業者の方々から環釣の要望が急に増えてきました。環釣は以前から私のところで製造致してはおりましたが、ぶらぶらとよく動く関係から、普通の釣針より、動いてこすれる部分の酸化(錆)が早かったり環自体の強さに難点があったりしてなかなか完全な製品として完成をみず、又、その当時はあまり一般からの熱心な要望もなかったようでした。最近、漁獲率が下って来たので、各地の漁業者の間で、研究されはじめたのでしょう。山下式環釣の特長④水中において釣元に自由があり、ぶらぶらと潮流によりよく動くこと、何餌成り(餌の仕掛け)が非常によくなる。㈹魚が喰ったlO1㈹中央部の穴に差込まれたウレタンゴムョリトリは、技糸が幹糸を中心にぐるぐるまわることになり技糸の幹糸に対するもつれを全くなくすことが出来る。㈲曳細の技取付け部や一本釣りの技取付け部に、あるいは延縄の技取付け部に使用致しますと、よりを取るという事と緩衝装置となることの二つの特長を発揮し効果的であります。㈱太さや長さは、各種製造されておりますから、どのような漁業、どのよう魚種にも使用することが出来ます。④三シ目サルカンのウレタン樹脂の部分は、幹糸につけられるとテンビンの役目もはたします。以上のように三シ目サルカン付ゴムョリトリはウルトラョリトリと名付けられ、今日迄、漁携作業中にきわめて難事とされていた幹糸と枝糸とのもつれを防止します。また幹糸は幹糸でよりがとれ、その上、緩衝装置も兼ねるわけで、漁具として非常に進歩的なものであります。各漁業に役立てて益々漁獲の向

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