「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
95/194

97鹿児島のアオリイヵ釣用擬餌(奴年2月)要するので価格も引合わず、安く漁業者の手に渡すことが困難なので、一時中止してしまいました。ところが、以前から愛用されている漁業者の方々より、是非作ってくれと再三の御要望もあ第一に、海水中で耐久力があり不変のもの、第一一に、水圧や水につけておいても、水分の吸収が全くないもの、第三に、比重が軽く、木と同様な働きをするもの、第四に、加工のしやすいもの、第五に、水中で曳行される時に擬餌の発する赫泳音が堅い音でなく、柔かい音であるもの、そして光沢のあるもの、これが最も重要なことであります。第六に、いかの歯により傷がつきにくいもの、これらのことを要点にして、合成樹脂により製造いたしますと、従来の木製のものとは比較にならない程、大量生産が出来、その価格も安く出来るようになりました。③Cリングと枝緬用ハッカー遠洋、沖合、沿岸漁業、ともに操業中の仕事は迅速でなければなりません。漁拷作業には、棚と柵、糸と糸、ワイヤーとワイヤーといったものの、取付け、取はずしという、大変な労力と時間を要する仕事が附随していまり、兼ねてから研究していました特殊合成樹脂により材質のよいものが製造できるようになりました。ので、現在種々の試作実験を重ねている訳であります。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です