「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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丁度よい敷物として使われています。その上、この物質は、熱を加えて行きますと、それが溶けて来ますが、その溶けた所の両端を強くおしてく『つけ動かないようにして三十秒位おくと、密着して一○○パーセントはなれません。しかし他の物質とはどんなことをしても絶体にくっつかない面白い性質があるのです。ざ『と簡単に述べたこの様な性質が、これから述べる種々のところに役立ち、既に使用された方々からは大変に喜ばれ、センセーションを巻きおこしています。延縄、曳細、一本釣、竿釣、点々釣、底魚釣、何んでも緩衝物質は必要でありますが、ナイロンテグス等はなぜ切れるのか、幹細や普通の糸はなぜ切れるのか考えてみましょう。ナイロンテグスを筆頭にすべての細や糸は、磨擦により熱を発して切れるわけであります。ナイロンですと一つ結んだダンゴを作ると、その引張強力は半分にな『てしまいます。物と物とが磨擦を起すと76ゴムョリトリは、ウレタン樹脂という合成樹脂が使われ、その両端にョリトリがついている緩衝装置の役目をする、物理的な簡単なョリトリでありますその性質を述べると、ウレタン樹脂は海水中で老化したり塩分により変質したりすることは絶対にありません。又、今日ではVベルトとして耐磨耗性耐久力、耐老化性、耐水性が買はれ、大量に使われて来ていますし、油などにも強いことがわかりました。その引張試験では五一○パーセントといいますから五倍に延びて切断するほどの物すごい伸びがきくわけです。又、五倍に延びたものが元の長さや太さにかえる複元力は一○○パーセントといいますから仲々面白い性質をもっています。それから「引裂」と云『て、両端を引張って裂こうとしても仲々裂くことは出来ません。刃物があたっても複元力が強いためなかなか切れないし、裂こうとしてもなかなか裂けないわけですから、パルプエ場では材木を弧物でくだいたり切断したりする、そのすぐ下に敷いて刃物の刃を長もちさせると同時に、材木を切るのに

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