「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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関係があります。道糸の長さ五○米、船の速力四ノットの場合の深さですが、その他潮流の速さ、潮上り、潮下りにも関係はあります。緩衝漁具魚が釣針にかかり、死の驚異を感ゴムヨリトリじると多かれ少なかれ全力をあげ死力をつくして、逃げようとしたり、カジキやシイラのように、水面上にはね上って廻転したりして、何とか自分の口にかかった異物をはき出して助かろうとします。此の時、幹糸やテグス、その他の細には、強烈なショックがかかるわけであります。魚は特殊な魚を除いては釣針がかかったまま、おとなしくして動かなかったり、じわじわと釣針のかかった糸を引張っては行きません。必ず自分の口が切れるか、糸が切れるか、釣針がはずれるか、又は折れるかする程の物すごい力で引張り、糸はその時のショックと摩擦で切れるわけであります。この様なことのために、このショックを何とか緩和しようと、色々の細やテグスが生まれ、延びのあるもの、丈夫なもの、強い74図⑥のように潜水板二段曳漁法をやる時は、eのように上の方の潜水板に後部に抵抗物をつけないと、板は沈んで行きません。①のサルカンの部分や、⑥板尻の部分、⑤の幹細をつけるところは、麻糸でツポをつけると丈夫になります。潜水板は上部の幹糸の太さや擬餌の数などの抵抗によって、その深水度がかなり違いますから、深く潜らせたい時は擬餌の数を少なくしたり、幹糸の太さも細く水きれのよいものを取り付けなければなりません。あまり幹糸の水の抵抗がよけいにありますと、潜水板は前部が上方に引張られてノックするようになります。潜水板より上の幹糸に、板を沈めたいだけの目的でビシ鉛などをつけてみても、二マイル以上になると、かえって鉛に水の抵抗を生じて沈んで行きません。板の後に魚が掛れぱ、図、の様に浮上して来ますから、明瞭にわかります。次に潜水板の各サイズ別の深度を七五頁の表でかかげますが、幹糸の太さ、船の速度、擬餌の数等に

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