「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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ど暗礁の多い所の魚を釣る時や、時々潜水板で海底の砂をかいて魚の喰気をそそるため砂煙を立てたい時は、潜水板のA型に図⑤に示す様な手を加えます。A型潜水板の裏面の①のナットをねじって③の鉄板をはずし、③鉄板の穴の後の方へナット④をはめ直しますと、鉄板③は⑤図のように前へずれて、板の部分を傷つけないし、海底にぶつかったり、根や暗礁にかかっても板の部分は損耗がなく安全であります。又、このようにしますと、板も深度がよく、板のふれ方も変化いたします(大きく振れる)・このような時のテグスの取付け方は、⑤の図にあるように幹糸を⑤の穴に通し、①ヘビーサルカンから幹糸へ③のように、幹糸よりも細い弱いテグスを使いますと、③鉄板の部分が海底の暗礁にかかっても、③の細い糸が切れて、⑤の部分から板は水面に引き上げられて潜水板をうしなうことがありません。この際、幹糸のたるみ⑩があまりたるんでいると板の動きがわるいので、⑤図位の状態が望ましいです。73撚りがほどけてさばけたり、水をふくむと抵抗が違ってきますから感心しません。やたらに重いヨリトリ、擬餌、鉛等を板の後のテグスにつけても重くなって、かえって板が飛び出したり、餌の動きをわるくしますから、テグスで加減するのが最もよい方法です。次に板が左か右の方に大きく流れて浮上してくるものは、前述の①と②の部分が真直ぐでなかったり、②の部分の構成がわるいものです。その①、②の部分が完全であっても、浮上するものは右側と左側の板自体の浮力が違っているのですから、例えば右側に浮上するものは②の部分を左側にずらせて、ずれない様に結び直し、左側に飛び出すものは右側に結び目をずらせて、その位置が変らないようにしっかりと取付けますと板は安定してまいります。この様な調節により、殆んどの潜水板は自由自在に自分のものとして働いてくれますから、このコツを早く修得していただきたいとおもいます。中層二段曳漁法ヒラメ、イサキ、ブリ、タイな

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