「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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あります。又、潜水板の後方には追跡流が起り、後の擬餌に更に動きを与える。魚が喰った時はその追跡流で板がすぐさま裏がえしになって浮上せず少し曳行されてから浮上してまいりますため、他の釣針にも群をなしている魚が、さらに喰いつくので大変に効果的であります。67山下式潜水板左A型右B型従来の板と違います。前部より後部にかけて半月型のカーブがあり、右より左にかけて同じように半月型のカーブがあります。従来の板は曳行された時は、前方のテグスの幹糸が取付けられた個所を中心に、ちどりに蛇行するだけで、板の後の擬餌を動かしています。山下式潜水板は前述のカーブがあるために、従来の板の蛇行する動きに加えて左右に半月型の弧を画き、板の後の部分の擬餌を左右に、又、上下に、電光型に、ゆれ動く。例えば板が右に「ぼん」と動いた時、後の擬餌も右側に、その動きのままにその動きを追求して行きますが、まもなく板が右より左に「ぼん」と動きを自動的に変化しますと、後についた擬餌は、餌魚が大きい魚に追われてあわてふためいて、方向転換するが如くに、急速度、急角度に右より左に向きを変えて動く。擬餌としては最高の動きをする訳であります。擬餌が活発に、激しく、電光型に、ゆれ動く時、餌魚の涯泳音を発し、魚は感知して「ばくごと擬餌に飛びつき、吸い込むように喰いつくわけで

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