「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
47/194

4940年12月大分県蒲江にて漁獲された大ブリ定着することもあります。又、富山県方面では漬木を設けてイナダの群を寄せたり、ブイ細、タコ壷の標識、流藻の周辺などにも集る習性があります。又集魚燈にもよく集まるし、ブリに成長してからも燈りに集まる場合があります。たとえ潜水板のふれ方が少なくても、イナダ、ハマチの時期にはカツオやョコワ(シピ、メジ)などよりも、よく喰いつくと、一般の漁師で云うものもあるが、やはり擬餌の動きは、活溌にしなければならないと思います。話は変りますが、海の中ではいろいろの音や鳴声がしています。ブリが泳いでいるときにはザーといった音を出し、網の近くに水中マイクロフオンを置けば、ブリが網に入ったかどうかすぐわかります。その他、クジラやイルカはピーとかギューとかいう音を出し、グチやホゥボゥのように浮袋の大きい魚は、そのまわりの筋肉をこすりグゥゲウと鳴き声を出します。ブリは船のスクリューの音や、船の影などに、他の魚以上に神経質でありますから、漁船は、特に注わるため、出世魚ともいわれています。海水がややにごった雨後や、河川の流入する沿岸の潮境、潮目、暗礁上、又はその付近に回瀞し一時

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です