「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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浮瀧生物摂取の魚や大型魚捕食の回瀧魚は一定の住処はないとされていますが、カツオ、マグロ類のサ鹿児島県コシキ烏周辺の潮ロ(41年2月)メづき、シイラのシイラづけ、等、つけ漁業に見る魚類の集まりのような特殊例もあり、サバ、イワシブリなどは暗礁付近に群集するものであります。人間でも群団をなすと付和雷同して、平常とは異る言動をするが、これは集団的動物の通性である。先頭のカツオが白い腹をみせるとその場所で必ず後続のものが同じことをやり、先達が網に入ると全群がそのままそれにならいます。曳細で魚群を発見するとエンジンを全開にして、浮上した魚の群に突進して、この先達をまず釣り上げ、自分の船に魚を引きつけて後に続く魚をも釣り上げますが、これも魚の慣性の利用と云えましょう。この際この群に対して日の下から群に当ると魚は一番日下の漁船や漁具から喰って来ますが、日の上よりそれをやりますと、前者の場合より釣獲率が下がるようです。カツオを釣る漁船などでは群をみつけた時この点に充分気をつけなければなりません。魚群の日上に餌があると、魚の眼の構造(虹彩)から考えてまぶしくて餌がみにくいからではないだらうかと考えられます。43

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