「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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段階ではありませんが、次のようなことはいえるの辺ではないでしょうか。とびつく習性が強いのでありますが、海底にいる魚は動作のにぶいものとか、死んだものなどでも食べていることもあります。前述のように、魚の餌付きの良、不良は海のバランスの変化に左右されることが、多いのでありますが、擬餌の場合は、その「動き」「大きさ」「色彩」「釣針の仕掛け方」等が相当に重要であり、現在の段階では、魚の種類によって、潮の色、水温、潮の透明度などに左右され、その他、種々の条件により魚の餌付きが変ってまいります。擬餌の色彩や光沢、型状、大きさ、動作等について、経験的には種々なされていますが、科学的な問題ではまだまだ研究の余地が残されており、相当に難かしいことが多いのであります。今日迄、各県を巡回してゴールデンベイト(ビニール製擬餌)について研究してみましたが、各地共経験的にどの色がよいとか、どの大きさが多いとか、どのような付け方がよいとかまちまちで、統計的には出せるものの、結論としては、今の処、発表する40年8月山形県温海でのイナダ曳細④一般にブリ、ハマチ、カンパチサバ等は曳細の場合、潮のあまり透明でない時の方が喰い付きがよいようである何カツオ、メジ鮪類の場合は潮の

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