「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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音と言えば、仲間が何かの餌を猛然と捕食しているで音ありましょうから、イワシ、サバ、アジなどが蕊て調べてみると、エサを食べる時に出す捕食音によって他のコイを集められることが、実験的にもわかっています。水中マイクロフォンを使って録音したこれらの録音を、水中スピーカーを使って水中に流してみると、水中スピーカーに向って魚が集ってくることはコイ、ハマチなどにより実験されております。きらいな音を使『ての実験も、ハナゴンドウやバンドウイルカの鳴き声をテープに収めておいて、これを定置網の近くで海中に流すと、アジ、カマスなどはあわてて逃げて、張『てある網にぶつかり、やがて定置網の中に追い込まれて行くのであります。その他、金属性のカンカン響くような音を海水中に流すと、多くの魚はそれをきらって逃げ去ってしまうのは、経験的におわかりのことであります。ハワイの海洋実験所の大津民雄先生に聞いた話では、海上に、或るサイクルの音波を出す装置を浮べて、何日間もそのままにおいておくと、カツオなどが群らがってくるということであります。魚の好むカツオ・ピンナガの竿釣り(東海大学水産研究所提供)162

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