「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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(3)組テグスについてこれは弊所で各種製造しておりますが、その特長利点は、仙魚が釣れてたぐる時、糸がすべらずたぐりやすい。②一分のテグス一一一本組んだものは、三分のテグス一本のものより、はるかに伸びがあり、柔らかか、く丈夫である。③潜水板に水圧がかかり、糸はぴんと相当な力で張られますから、張りがゆるむと他の糸では撚りがくるが、三本組テグスはよりがこない。例水中からたぐって来て、トモのデッキの上に水を撒いておくと、ぴったりと、トモのデッキにくっついて道糸が落ちついて操作がしやすい。従ってもつれがないわけであります。⑤潜水板の道糸は、テグスのような、水きれのよい水の抵抗の少ないものが、潜水板をよく潜水させてくれるp⑥透明で影を作らず、柔らかで魚に恐怖心をあた8糸はきれいに出てまいります。猛宗竹第一図①に先ず第一図⑤の長尺物ゴムョリトリ(第二図②)を取付け、その下に第二図⑯の様な鉛五十匁位を取付けます。第一図⑤のゴムョリトリは前述のように細い道具を使い、魚の口を切らさず、掛った魚がはずれずへ人間の手であしらうよりも上手に魚をあしらい、竿の弾力をより一層補充してやるためであります。第二図⑯第一図⑥の鉛は波の動揺と船のローリング、ピッチングで鉛がよく動き、第一図⑪ゴムョリトリより上の擬餌をよく動かすためと、風の抵抗で第一図⑤がびらびらして、邪魔にならぬようにするためであります。船の中より順を追ってお話しますと、第一図⑥、第二図⑯の鉛の部分と道具をつなぐために⑥と①猛宗竹までにトッタリをつけ、そのトッタリを第二図③のカギでひっぱってきて⑥と道具を結びつけます。道糸⑰は山下式では三本のテグスを組んだ三本組テグス(写真)を使用致します。

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